シュルレアリスムと邪悪なユーモア。ダリとの共作映画「アンダルシアの犬」で鮮烈にデビュー。作品ごとにスキャンダルとセンセーションを巻き起こした伝説の巨匠・ブニュエルの、過激な映像と仮借なき批評精神を貫いた全貌を解明する。

内容:前衛の顕現『アンダルシアの犬』 . 前衛とスキャンダル『黄金時代』 . 前衛の変容『糧なき土地』 . ブニュエルとスペイン戦争 . メキシコ流謫『忘れられた人々』 . 神学の横断『のんき大将』から『銀河』まで . 聖者の懐疑『ナサリン』を中心に . 聖女の受難『ビリディアナ』と『トリスターナ』 . 狂気の愛、その廃墟『エル』『犯罪の試み』『欲望の曖昧な対象』 . 地獄の無限ゴシック・ロマンスと『嵐が丘』脚色 . ブルジョワジーの自己像『皆殺しの天使』以降 . 救済の幻想『昼顔』と『自由の幻想』 . ブニュエルの頑固さ . カランダまで . 三人はアイドル . トレドへの偏愛 . ルイス・ブニュエルへの新しい接近 . ブニュエルのメキシコ . 自伝『映画、わが自由の幻想』書評 . ルイス・ブニュエルを追悼する . 『ルイス・ブニュエル著作集成』書評 . 実現できなかった遺作『アゴニア』 . ブニュエルの実際の臨終 . エリセとサウラ . 『昼顔』の続編 ほか1編