ペストからエボラ出血熱まで、感染症との闘いを経て人間史は紡がれてきた。「フランツ・シューベルトと梅毒」「幸田文『おとうと』の結核」「ゼンメルワイスの塩素水」など、歴史上のエピソードからその足跡を辿る。

内容:宿という名の病院. パラケルススの黒い森. インノチェンティ捨児養育院 小児科学の芽ばえ. 振り返る瞳. 与謝野晶子とスペイン・インフルエンザ. 一葉と肺結核. ピエタに祈るボルドーの記憶. アンネ・フランクと発疹チフス. フランツ・シューベルトと梅毒. プラハのユダヤ人墓地. 『櫂』に読むスペイン・インフルエンザ. グリムの伝承の世界. 煙突掃除夫のがん. モーツァルトのマルクス墓地. 向田邦子の桜島. プラハのマリオネット劇場. ドナウのくさり橋. ブダペストの泣き柳. 幸田文『おとうと』の結核. セントルイスの新型インフルエンザ. ブルージュの施療院. 不治の病人の病院とレデントーレ教会. クリスマス・キャロルのロンドン社会. ウィーン ペストの記憶. マールブルク公衆衛生の精神 ほか11編