またまた「ぶん文Bunレビューキャンペーン」に新たな感想をお寄せいただきました!

今回の投稿は匿名希望の方から。今新聞広告などでも多く取りあげられている『歎異抄』を、まずは漫画で読み解いてみようという試みでした。

ぶん文Bunでは漫画も、話題の『歎異抄をひらく』も、原典もご用意しております。(『歎異抄をひらく』って映画化されていたんですね…。それは、知りませんでした!)

まんが学術文庫版の『歎異抄』についてご感想をくださった匿名希望の方、ぜひぶん文Bunへお越しの際は「レビューを書いた」とお申し出くださいね。レビュー1冊特典の「コハチローしおり」をプレゼントさせていただきます!(レビュー5冊で、オリジナルキーホルダーです!)

 

オリジナルしおりに満足そうなコハチロー

オリジナルしおりに満足そうなコハチロー

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※※※※※※※新しい投稿をお待ちしております!※※※※※※※

 

さてさて、今回のレビューも力作です。さっそく読んでいきましょう。

 


『歎異抄』(唯円)

 

古典の素養がないので、難しそうだなと敬遠していたのですが、有難いことに漫画版があったので、ひとまず全体像をつかもうと手に取らせていただきました。

 

浄土真宗の開祖である親鸞亡き後、教えが歪曲されていく様を嘆いた、弟子の唯円が著した仏教書です。 何が正しく何が間違っているか、何が善で何が悪か、これは人間にとっては永遠の問題かもしれませんが、この歎異抄という仏教書はそうした問題に一つの光を与えているように感じました。

 

人間的な見方で善悪を判断しようとすると、どうしても批判的な傾向になることは避けられず、そこから分かりやすい悪人をたたくことで偽善が生まれることはよくあります。そうでなくても、現代では些細なことで多くの人がSNS上で誰かを袋叩きにする残念な時代です。 と、上記のように誰かを批判する人を批判しているこの自分もまた、そうしている時点で偽善者であることは言うまでもありません。

 

難解な歎異抄ではありますが、漫画版のおかげでようやく入り口に立てました(かな)。 興味のある方は、現代語訳で分かりやすい『日本の名著シリーズ 歎異抄』と一緒に読まれるといいかもしれません。

 

また『聖書と歎異抄』では五木寛之さんの私訳が掲載されていますが、そちらも非常に読みやすかったです。聖書を読まれたことのある方は特に、歎異抄との共通点を興味深く感じることと思います。

 

漫画の終盤、杭にかけられた極悪人が民衆から罵詈雑言を浴びせられる場面がありますが、聖書の福音書の一節が想い起されました。杭にかけられたキリストが、一緒に杭にかけられた罪人に対して言った言葉が、「あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいる」です。

 

もし、この漫画の杭にかけられた極悪人の隣に、阿弥陀如来か親鸞さんがいたなら、「お前はきょう、わたしと共に浄土にいる」と語りかけたのかもしれません。

 

色々なことを考えさせてくれる素晴らしい漫画でした!

 


ありがとうございます!

今回はレビュー投稿フォームからのご投稿をいただきました。漫画版の読了から『歎異抄』を通じて五木寛之さん、聖書、磔刑・・・とイメージが広まっていく様は「これぞ読書の醍醐味」という感じですね。

ぶん文Bunの書棚は「1冊とったらまた1冊」「振り向けばまた面白い」というように、次々と面白さが連鎖するような工夫を凝らしてあります。同じ『歎異抄』でも、この図書館においてあるかどうかで「読みたさ」がずいぶん違うと思いますよ!

この度レビューを書いてくださった匿名希望の方、またのご投稿をお待ちしております!大変な名文でした( ˘ω˘ )

 

※※↓その他のレビューもご覧ください↓※※

 

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(クリエイティブ司書・小宮山剛)

2024年 (令和6年)
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