ぶん文Bunレビューキャンペーン」に新しいご投稿をいただいております!更新をおまたせいたしました。

 

今回のご投稿も円さんから。クリエイティブ司書・小宮山剛としては、今までのなかでも随一レベルに「読んでみたい」と思わせられるところがありました!

 

 

\ぶん文Bunレビュー投稿方法(手書き派?ウェブ派?)/

 

 

※ぶん文Bunにある資料であれば、どなたからのレビューも歓迎!※

円さんがレビューを書いてくださったのは、綾辻行人さんの『Another』。文庫化に際してこういう2冊揃いで初めて絵が完成するデザインをされると、つい並べてみたくなりますね・・・。

それではレビューをご覧ください!

 


 

綾辻行人『Another』

 

本書は推理小説界では著名な綾辻行人さん執筆の本格ホラー小説です。 エンタメ性に特化したライトノベル寄りのホラーミステリーなためか、色々と突っ込み所が満載なのですが、そんなことはどうでもよくなるくらいにグイグイと読ませてくれます。

 

単行本で出た際に本屋で立ち読みしたことがあるのですが、キャッチ―な導入部に引き込まれその場で一気読みしたという思い出深い本でもあります。(買えよ)←単行本高いんですわ。『Another 2001』が最近出ていたらしく、予習復習のために再読した次第です。(入荷していただけるとありがたい)

 

さて、本書の魅力はなんといっても、ホラーにとどまることなく色々な要素が混ざっているという点かもしれません。 例えば、舞台である夜見山北中学に転校してきた主人公の榊原恒一が、眼帯をつけた見崎鳴という少女と共に、クラス内で“いない者”として扱われるようになる場面があります。これはいじめとかそういったものではなく、26年前のとある出来事から連綿と続く怪現象を避けるため、クラスの中で確立していった決まり事のようなものです。存在が無き者として扱われるようになるのですから、そういった状況で平気に学校生活をおくることができる中学生はあまりいないかもしれませんね。

 

……ところがどっこい、主人公の榊原はほぼすんなりと順応しちゃいます。惨劇が起きても結構冷静に対処します。(あまり興奮してはならない持病や、彼が好んで読むクトゥルフ神話やスティーブン・キングの小説による恩恵でしょうか)

 

アニメ版では皆が試験を受けている最中に、どうせいない者ならと見崎鳴と教室でダンスをするという榊原の面白い妄想が出てきます。もうコメディですね。こんな主人公の反応を異質に感じる読者もおられるでしょうが、いつも淡々としている見崎鳴ともども、個人的にはとても好きなキャラクター達です。

 

というのも、映画にしろ小説にしろ、主人公がパニックに陥ったり、叫び声を上げたりするシーンにあまり感情移入できないもので。なんとなく、それで視聴者の恐怖を煽って物語に引き込ませようといった安易な小細工に感じてしまうからかもしれません。

 

その点、この作品はとても落ち着いて読めるホラー小説です。ホラーが苦手な方もその“ほっとする”部分を是非とも感じていただけたらなと思います。(ラスト50ページ程は息つく暇もないですが……)

 


 

円さん、いつもありがとうございます。円さんのぶん文Bunレビューはこれで9本目。本に「引き込む力」がますます向上されていると思うのは私だけではないはずです。今回のレビューなんて特に、とても読みたくなりますね・・・!

綾辻行人さんの『Another』シリーズは、ご紹介いただいた『Another 2001』だけでなく『Another エピソードS』も出版されていますね。綾辻さんの作品については『暗黒館の殺人』や『深泥丘奇談』、『時計館の殺人』とぶん文Bunでも色々仕入れておりますのでまた拡充を検討してみます!

ところで『Another』というとアニメ版・映画版もあるのですが、小宮山はいつも「Another」の単語からニコール・キッドマン出演のスリラー映画『The Others』を思い起こします。両方ホラー系というだけで、とくにこれといった共通点はないように思いますが・・・。英語のother / another / the other / others / the othersの使い分けなんかを、ちょうど『The Others』が日本の地上波で放送されている頃に習ったような気がするな、などとどうでもいい記憶も呼び覚まされました。

・・・よくわからないことを書いてしまいましたが、これも円さんのレビューが呼び起こした懐かしい記憶です(←!?)。毎回心待ちにしておりますので、またどうぞお気向きの際には一筆よろしくお願い致します。

・・・・・・・

※過去のレビューを下記ページに格納し、逐次更新しております※

【ぶん文Bunレビュー投稿記録(2020年9月~)】
https://lib.katerie.jp/index.php/column-hondana/79-reviewstock

※椎葉村図書館「ぶん文Bun」に置いてある本はこちらのページにて検索できます。

 

(クリエイティブ司書・小宮山剛)

2021年 (令和3年)
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