「ぶん文Bunレビューキャンペーン」に新しいご投稿をいただいております!今回も更新が遅れまして畏れ入ります。
今回のご投稿はミルフィーユさんから。ミルフィーユさん、こちらがついに10件目のぶん文Bunレビューです!ぶん文Bunレビュー10件目到達の特典として、ぜひ「ぶん文Bunに推し本を1冊導入」の権利をご活用いただければと思います。次回お越しの際は受付までお声がけいただけますと幸いです。
\ぶん文Bunレビュー投稿方法(手書き派?ウェブ派?)/
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手書きの原稿用紙をぶん文Bunのカウンターへもっていく。
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レビュー投稿フォームに入力しウェブでサクッと投稿!!
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今回ミルフィーユさんからいただいたレビューは行成薫さんの『本日のメニューは。』についてです。第2回宮崎本大賞受賞作として、ぶん文Bunとしても大きく取り上げていた作品でした!
行成薫『本日のメニューは。』
食べ物がメインの小説は、あまり読んでこなかった。絵や写真など直接視覚で捉えられる媒体でないとイメージが浮かんでこないため、文章で書かれた本は苦手意識があった。
しかし、本書はあらすじで興味をそそられ、読んでみた。 そしたら、あっという間に読み終わってしまった。表現が豊かで、造形がすぐに浮かんだからだ。ふんわりとしたおむすびを作る手の動き、デカ盛りと咀嚼し平らげる様子、ドミグラス(デミグラスではない。店主のこだわり。)ソースができあがっていく鍋の中…。イメージできるから、とても食べたくなった。
本書の魅力はそれだけではない。食や料理について深く考えさせられる。『ゴハン食べなきゃ人間死んじゃうけど、食べて幸せになるものと、そうじゃないものがあるじゃん?』『同じ美味しいものでも、誰と一緒に食べるとか、好き嫌いでも味が変わるし。美味しいもの食べすぎても病気になったら不幸だし、多少マズくても、健康を維持できるなら幸せって思うこともあるし』。
美味しさは、客観的な数値では表せない。体の状態、周りの環境、その時の気分…と様々なことが影響する。同じものを食べても、美味しいの度合いは人それぞれだ。だからこそ、食は面白いし、食べて幸せになれる料理を作り、食べていきたいと感じた。
また、料理が人間を繋ぎ、関わりを深めていくのも魅力だ。『歳を取るというのは、やっぱり嫌なことだね。』という言葉は妻を亡くした老紳士の発言だが、体を思うように動かせなくなった洋食屋の店主が、物語の最後にこの言葉を思い出す。 洋食屋を二人三脚で50年間営んできた夫婦。二人が出会い、心を通わせ、歩んできた時間に思いを馳せる。
歳を取るのは嫌なことばかりではない、と思えるように一日一日を大切に過ごしたい。
ミルフィーユさん、いつもありがとうございます。
食をテーマにした小説って、人間関係もあたたかなものが多い気がします。ぶん文Bunの「食文化の【環】」のコーナーにはけっこう小説作品も置いていますので、気になったらのぞいてみてくださいね。とくにアンソロジー(作品集)を手にとっていただければ、新しい作家さんとの出会いが生まれてくれるのではないかと思います…!
ミルフィーユさん、10件目のレビューも非常に読みごたえがあるものでした!いつもありがとうございます。
これからも、100件目指してどうぞよろしくお願いいたします!(/・ω・)/
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※過去のレビューを下記ページに格納し、逐次更新しております※
【ぶん文Bunレビュー投稿記録(2020年9月~)】
https://lib.katerie.jp/index.php/column-hondana/79-reviewstock
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(クリエイティブ司書・小宮山剛)