過日ご紹介した「ぶん文Bunレビューキャンペーン」に、新たな感想をお寄せいただきました!

今回の投稿は、ぶん文Bunネーム「ななろくに」さんから。以前『むらさきのスカートの女』のレビューを書いていただきましたが、こちらが大変好評でした。「ななろくにさんのレビューを見て借りにきました」という方が、同作を求めてぶん文Bunにご来館されたんですよ。

\ぶん文Bunレビュー投稿方法/

 

 

※※※※※※※新しい投稿をお待ちしております!※※※※※※※

 

さて、またもや熱のこもったレビューを書いてくださった「ななろくに」さん。今回は司馬遼太郎の『竜馬がゆく』について書いてくださいました!

新たな「司馬遼」ファンが生まれるであろう力作レビューとなっていますので、どうぞご覧ください。


『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)

 

五年前、東京で安野光雅展を観た。美しい風景画の数々に、司馬遼太郎と旅をしながら描いた作品が並んでいた。「司馬さんは、とても大きな存在でした」と添えられていた。

 

カテリエ(※Katerie)の書棚に、『竜馬がゆく』が整列していた。

 

司馬作品。私は8冊全てを抱え、即借りた。はじまりから、どっぷりと、この勢いのある長編の世界に夢中になった。次々と出て来て竜馬をとりまく登場人物たちが、個性豊かで面白い。

 

さらに何といっても竜馬の大らかさが気持ちよかった。誰もが「竜馬の度量、海のごとし」と言ったとある。8巻読み終えるまでのこの半月、私は、自分の中に、ずっと竜馬がいるような感覚を楽しんだ。

 

日々のいろんな場面で「そりゃいかんぜよ」「何しちゅう」といった声がよぎる心地良さ。約3,500ページ、ちっとも長いと感じなかったどころか終盤が近くなってくると、読み終えるのが惜しい程だった。

 

初めての司馬遼太郎の小説。そこには、本当に大きな存在があふれていた。

 


・・・いかがでしょうか?今回も本当にお綺麗な字で、熱い思いをていねいに認(したた)めていただきました。

「私は、自分の中に、ずっと竜馬がいるような感覚を楽しんだ」とのお言葉から読み取れるとおり、いきいきと幕末の空気が蘇る作品の醍醐味が壮大さを醸しながら描かれたレビューですね。

ぶん文Bunでは『竜馬がゆく』だけでなく『梟の城』、また対談集『日本人を考える』など・・・。ほか司馬遼太郎に関する本をいくらかご用意しております。ぜひご来館のうえ、ぶん文Bunの本棚の森に迷い込みながら探してみてくださいね。

ところで坂本龍馬といえば、ぶん文Bunの「先生」である高知県・梼原町の「雲の上の図書館」さんが竜馬ゆかりの地に建つ図書館として有名です。

隈研吾氏の建築ということでも話題になったこの図書館ですが、実はそのソフトコーディネートを務めた方(図書館と地域をむすぶ協議会・太田剛チーフディレクター)が、ぶん文Bunのデザイン・コーディネートも手掛けたのです!

・・・ちなみになぜ「先生」なのかというと、ぶん文Bun初期構想中にクリエイティブ司書の小宮山剛が「雲の上の図書館」さんを見学したとき「こんな場所をつくりたい!!」と思ったからです。ほかにも合計30館の図書館を全国で見学したのですが、それはまたの機会に・・・。

ちょっと竜馬さんから話が飛びましたが、これもまた御縁ということでしょうか。

ひとつの作品が時代を超え土地を越え結ぶ御縁。大切にしたいですね。

 

※※↓その他のレビューもご覧ください↓※※

 

ぶん文Bunネーム「ぽよ」さん — 『日本語のために』(池澤夏樹編)

 

ぶん文Bunネーム「ななろくに」さん — 『むらさきのスカートの女』(今村夏子)

 

(クリエイティブ司書・小宮山剛)

2024年 (令和6年)
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